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2005年 1月号 Jazz Life誌 New York Report

New York Jazz Witness

2005年シーンの注目度No.1!
ネオ・ソウル・ディーヴァ、イマニ・ウズーリ
 ニューヨークの代表的なジャズ・クラブの1つモブルーノートモは、常に精力的なブッキングで、観光客だけでなく、地元のミュージック・フリークも満足させてくれている。月曜日夜のショウ・ケース枠で始まった"New Sound of Soul Jazz Series"に、クラブ・シーンで頭角をあらわしてきた、ネオ・ソウル・ディーパ、イマニ・ウズーリが、ストリングス・ユニットで出演した。
 
 ブルーノートは、ジャズ・クラブの中で、もっとも開店時間が長いクラブであろう。ビッグ・ネーム中心のブッキングの火曜日から日曜日のレギュラー枠と、幅広い音楽カテゴリーの中の次世代のスターや、意外な顔合わせのセッションが見られる月曜日のショウ・ケースは、この店の基本スタイルである。ニューヨークのローカル・ミュージシャンや、日本人ミュージシャンをフィーチャーするサンデイ・ジャズ・ブランチ、金曜、土曜日のアフター・アワーに、ジャム・バンド系若手ミュージシャンのスペシャル・セッションのレイト・ナイト・グルーヴ・シリーズ、チック・コリア(kb,p)、リチャード・ボナ(el-b)らから、ギル・ゴールドスタイン(kb,p)のようなミュージシャンズ・ミュージシャンがクリニックを催く、土曜日の午後のブルーノート・マスター・クラスと、ここ数年でライン・ナップをさらに充実させている。
 
 イマニ・ウズーリ(vo)は、ノース・カロライナ出身、ハービー・ハンコックの2001年の大作「フィーチャー2フィーチャー」に参加し注目された。ピーター・ガブリエル、ギタリストのデヴィッド・ギルモア、ヒップホップの重鎮、キング・ブリットや、タリブ・クウェリ、ジャングル/ドラムン・ベースの4ヒーロー、マーカス・インタレックスと、ジャーマン・アシッド・ジャズのへミスフェアーら、ニューヨークとヨーロッパのメジャーからアンダーグラウンドまで幅広い共演歴を誇っている。ジョーズ・パブなど、ヒップなクラブも常連で出演し、ブルーノートにも2度目の登場である。今回は、レギュラー・グループのトム・ルーベット(g)、マキシミナ・ジュソン(el-b)、スイス・クリス(ds)に、タラー・レイノルド、ミッチ・ウィアンコ、レネ・ロンドンのヴァイオリン、ジーニー・オリヴァー、ジェイムス・D・コールマンのヴィオラ、ジュリア・ケントのチェロと、6人のストリングス・セクションを従えたゴージャスな編成である。今年の前半は、このグループで「ア・ブラック・ガールズ・ロック・オペラ」と題して、自らのバイオグラフィーを歌うステージを聴かせてくれたが、今回はどんなレパートリーが繰り広げられるのか、期待が高まる。
 オーガニック・ドラムン・ベースがきまるオリジナル・チューン "9 by 9"で、セカンド・セットは始まった。ギターのルーベットのカッティングと、ストリングスがコントラストを描く。続くルーベットとのデュエットのバラードでは、ニーナ・シモン(vo)の後継者の称号はダテじゃない、表現力を聴かせてくれた。キーボードの不在を、ストリングスのアンサンブルが埋め、同じリフを繰り返し、ヴォーカルとのコール・アンド・レスポンスで盛り上げる。70年代に帝王マイルス・デイヴィス(tp)夫人でありながら、ジミ・ヘンドリックス(g)との間で揺れ、マイルスをインスパイアした魔性の女、ベティ・デイヴィス(vo)の「ヘロイン」のカヴァーで、サイケデリック・パワーが炸裂し、ステージと客席は一体化した。まるでハーレムのディープなクラブのギグのようだ。
 マキシミナ・ジュソンは、端正な容貌そのままのシャープなベースで、切り込んでくる。次々と続くオリジナル曲は、猥雑さとソフィスティケイト、ワイルドネスと崇高さが不思議なバランスでブレンドされ、ソウル、ヒップホップ、トランス、テクノ、ジャズがイマニのキャラクターの中で、共存し魅力的な音空間が創造された。ステージには、ノース・カロライナ時代からの親友、マーヴィン・スウェルがアコースティック・ギターを携えて、登場した。カサンドラ・ウィルソン(vo.g)のブレーンの一人であるスウェルによって、サウンドが内省的にカーム・ダウンし、客席を包み込む。2時間近いセットのファイナル・ソングは、最新オリジナル「ホーリー・ウォーター」で、スタンディング・オヴェーションとともに幕を閉じた。フィラデルフィアのアンダーグラウンド・シーンを牽引するDJ、プロデューサーのキング・ブリットとの共同作業によるファースト・アルバムは完成間近だそうだ。スケールの大きい将来性を感じさせるディーパ、イマニ・ウズーリの、開花の時は近い。(11/15/2004 於Blue Note NY, NYC)

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