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2002年 2月号 Jazz Life誌 New York Report

New York Jazz Witness

ジャム・バンドの隆盛で“完全復権”!
Jazz @ Lincoln Centerがオルガン・サミットを開催

 ここ2年ぐらいの、ジャム・バンド・ムーヴメントの中で、ハモンド・オルガンは、ジョン・メデスキやソウライヴのニール・エヴァンスなどのスター・プレイヤーを輩出し、復権を果たしてきた。その流れを受けてか、Jazz @ Lincoln Centerでは、ジャズ・フィールドから4人のオルガン・プレイヤーをセレクトし、オルガン・サミットを企画した。その模様をリポートしたい。 
 

  大ベテランの、ジミー・マグリフ、ドクター・ロニー・スミス、フランスで活躍する女性プレイヤー、ローダ・スコット、若手のジョーイ・デフランチェスコと、4人のオルガン・プレイヤーを中心に、オルガン・バンドのドラマーとして、ファースト・コールのアイドリス・モハメット、ギターには、パット・マルティーノ、ランディ・ジョンストン、ジョン・アバクロンビーといった個性的なメンバーに、ヒューストン・パーソン、ジェイムス・カーター、ロニー・キューバーというサックス陣が、様々な組み合わせで、ステージに登場した。
  トップ・バッターは、ローダ・スコットだ。70年にフランスに渡ったスコットは、NYでライヴをやるのは、きわめてレアな機会である。靴をオルガンの脇に揃えて脱ぎ、足でファンキーなベースラインを刻む。教会神父を父にもち、ゴスペルとともに成長した背景をうかがわせる演奏だ。フロントには、先頃亡くなったエッタ・ジョーンズ(vo)との双頭コンボで知られる、ヒューストン・パーソン(ts)。テキサス・スタイルのテナーで、アーシー度数を高めた。
  続いて、ジョーイ・デフランチェスコが、パット・マルティーノと登場した。マルティーノの最新作"Live at Yoshi's"(Blue Note)でも、絶妙のコンビネーションを聴かせてくれた2人だが、ヤング・ジミー・スミスともいえる、ブルージーにひきまくるスタイルのデフランチェスコをバックに、マルティーノの幾何学的フレーズが炸裂する。17歳でフィラデルフィアからNYに進出し、ハーレムでブラザー・ジャック・マグダフと共演、"The Kid"と異名をとったマルティーノのルーツを、再認識させるパフォーマンスだ。ジェイムス・カーター(ts,ss)がソプラノ・サックスで参加し、オルガン・バンドの異なったベクトルを呈示した。
 

  インターミッションを経て、登場したのは大ベテランのドクター・ロニー・スミスと、ジミー・マグリフのツー・オルガン・ユニットだ。レイ・チャールス(vo,p)のヒット曲"I've got a woman"のアレンジャーとしても知られるマグリフと、ルー・ドナルドソン(as)の"アリゲーター・ブー・ガルー"(Blue Note)や、ジョージ・ベンソンとの諸作のほかにも、60年代にモータウンのスタジオ・ミュージシャンとしても活躍したドクター・ロニー・スミスは、40年近く前にすでにジャズ・フィールドにとどまらず、ボーダー・レスな活動をしていたオルガン・プレイヤーであり、現在の若手プレイヤーたちの、元祖のような存在である。サイドでは、70年代にECMから、意欲的なオルガン・トリオ・アルバムをリリースしていた、ジョン・アバクロンビー(g)が、独自のブルース解釈を聴かせ、バリトン・サックスのロニー・キューバーが、オルガンの重低音と絶妙のコンビネーションのソロをとった。フィナーレにはすべての プレイヤーがステージに集結し、ブルース・セッションとなる。ロニー・スミスはここでソウルフルな、スキャットを披露し、満場の喝采を浴びていた。
  デジタル・テクノジーが進歩し、どんな音でもサンプリングで創れるようになった現代に、アナログでウォーム、ホーンにも対抗できるパワーを兼ね備えたサウンドをもつキーボード、ハモンドB-3が、高らかに復権の叫びを上げたセッションと言えよう。
  (12/1/01 於Alice Tully Hall)


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