Article 1999

 この年は、やはりトコさんの訃報がショックでした。ペトルチアーニといい追悼記事ばかり書いていたような印象が、あります。12月からは、長年暖めていた企画のエンジニア・インタビュー・シリーズを、満を持して始めてみました。もともと高校生ぐらいの時から、オーディオ・マニア(当時は、FMを録音するという、エア・チェックというのがはやっていました。)で、一時期熱は冷めたのですが、また現場でエンジニアと付き合いをもつようになってから、再燃し始めました。思った以上にいろいろな発見があり、勉強になりました。レコード会社のタイアップがとりにくかったり、あえてメジャー・ジャズ・クラブを、取りあげないで企画を集めるという方向性は、この年にはかなり確立されてきたような気がします。私が取りあげなくても、日本から旅行できた人が、投稿すれば済む話は取りあげず、こんな風なジャズ・パフォーマンスや、ジャズに触れる機会もあるのだとか、ちょっと、インターネットを使って調べれば、こんなイヴェントも見つけられる、ということを、私の記事を読んだ方がNYに来たときに追体験できることを意識して、記事を執筆しています。2月号では、キング・レコードから発売された、“55Bar Live”とのタイアップで、紐育ジャズ倶楽部物語という特集ページで、ジャズ・クラブ情報を担当しましたが、もう情報が古くなってしまったので、ここにはアップしませんでした。リンクのナイト・クラブのページをご参照下さい。

Jazz Life誌連載 NY Jazz Witness

1999.1 Misako Kano Quartet at Knitthing Factory
卓越したアレンジ能力を誇る異才、加納美佐子が、NYフレンズの好サポートを得て、2枚のニュー・アルバムをひっさげて、ジャズ・タイム誌のコンベンションに出演。
1999.2 Matt Wilson Group at detour 
シリアスな音楽表現と、エンタテイメント・ジョークは表裏一体。サウンドのおもちゃ箱をひろげた、マット・ウィルソン・クアルテットの拡大ヴァージョン。
1999.3 Barry Harris Jazz Workshop
"Keep the Frame!!" ビ・バップの火を絶やすな。大ベテラン・ピアニスト、バリー・ハリスによる、実践的ジャズ講座。偉大なる先達の、業績を体感せよ。
1999.4 Michel Petrucciani Tribute Live
惜しまれつつ、夭折したピアノの化身、ミシェル・ペトルチアーニ。アダム・ホルツマン(kb)、ヴィクター・ジョーンズ(ds)ら、NY時代を共に過ごした同志達による、レクイエム。
1999.5 Jim Hall & Satoshi Inoue
ジム・ホールと、井上 智のイマジネイティヴな、ギター・カンバーセーション。とどまるところを知らない創造力。
1999.6 Marc Copeland Trio
耽美派ピアニスト、マーク・コープランドの、アップ・タウン、クレオパトラス・ニードルでの、レギュラー・ギグ。ドリュー・グレスと、ビル・スチュアートが好サポート。
1999.7 Farewell to Mr. Motohiko Hino
99年5月13日に、53歳の若さで亡くなった、トコさんこと、日野元彦さんの、90年代のNYでの活躍を、秘蔵写真つきで、解説、追悼。
1999.8 Great Jazz on Great Hill
ウィントン・マーサリス率いるリンカーン・センター・ジャズ・オーケストラが、セントラル・パークで、子供のためのデューク・エリントン・レクチャー&コンサート。
1999.9 Barry Harris Live at Jazz Mobile
ハーレム・コミュニティの人々の、観客と一体化したステージ。ジャズの原点の一つがここにある。
1999.10 Graham Haynes Trio + 1
大都会の中の、癒し系サウンド。アヴァンギャルドの雄、グラハム・ヘインズが、モダン・スクラプチャーと融合する。
1999.11 Regina Carter & Chick Corea
惜しくもこの年で、中断してしまったパナソニック・ヴィレッジ・ジャズ・フェスティヴァルの千秋楽。レジーナ・カーターと、チック・コリア&オリジンの、ダブル・ビル・コンサート。
1999.12 Jim Anderson
モダン・レトロなサウンド・デザインで、ミュージシャンから高い評価を得ているジム・アンダーソンのインタビュー。NYエンジニア・シリーズ第一弾!