Article 1998

Jazz Life誌連載 NY Jazz Witness

 前年に、かなり唐突に始まったこの連載コラムですか、この年の試行錯誤で現在のスタイルが出来たようです。この頃は、ライヴだけでなく写真集や、ギャラリー・ショウ、学校のコンサート、教会の追悼式など、いろいろなイベントを盛り込んでいて、当時の私の意気込みを感じます。以前、一般紙にコンサート紹介を書いてはいましたが、専門誌のコラム連載ということで、やや力が入りすぎているきらいもあったようです。読み返してみて、明らかに拙かった文章は一部修正しました。この頃の気持ちを忘れずに、今後も続けたく思います。

1998.1 New School OB Group Concert
1986年に設立以来、ジャズ・シーンに、ブラッド・メルドー、ラリー・ゴールディングスら多くの俊英を輩出している、新たな名門大学ニュー・スクール。ヴァージニア・メイヒュウを中心としたOBのスペシャル・グループ・コンサートに、井上智が参加!!
Larry Goldings Trio @ Small's
NYジャズ・シーンに新風を吹き込んだ、カッティング・エッジ・ジャズ・クラブ、スモールズ。旬なクラブに、ラリー・ゴールディングス、ピーター・バーンスタイン、ビル・スチュアートの旬なオルガン・トリオが出演する。
1998.3 Nilson Matta Group @ Coffee Shop 
NYのベスト・ボサ・ノヴァ・セッション。ウィーク・エンドの午後を彩る、本場ブラジルからやって来た精鋭達の演奏を、リラックスした雰囲気で楽しむ。
1998.4 Eric Alexander @ DhorMa 
若手テナー奏者のエリック・アレキサンダーが、ロウアー・イーストサイドのニュー・スポット、“ダーマ“に出演。偉大なる先達を踏襲したスタイルで演奏。
1998. 5 Photographers who take Jazz Images 
30年代後半から、90年代まで。ジャズのかけがえのない一瞬を、印画紙に定着してきた、写真家列伝。写真集紹介も充実。
1998. 6 A Memorial to Pastor John Garcia Gensel 
60年代から、ミッドタウンのセイント・ピータース教会の、名物牧師として、NYのジャズ・ミュージシャンの精神的支えだった、ジョン・ガルシア・ゲンセル牧師が、亡くなった。多くのミュージシャンが集まった、追悼集会の模様をリポート。
1998. 7 Masahiko Sato Dynamic Duos 
NYのジャパン・ソサエティの、コンサート・シリーズ“Jazz from Japan”に、佐藤允彦が登場。最小のアンサンブル、デュオ・ミュージックの可能性を追求。
1998. 8 JVC Jazz Festival & Texaco NY Jazz Festival 
ブルースをルーツに、多様に拡散するブラック・ミュージック。2つの夏のメジャー・ジャズ・フェスに、アシュフォード&シンプソンw.マヤ・アンジェロウ、ブッチ・モリス・ホーリー・ゴースト、ヘンリー・スレッギル・ソサエティ・シチュエーション・ダンス・バンドが出演。
1998. 9 Jazz Mobile Comes to the Neighborhood
ジャズ・モービルが街にやってくる!! 30年以上続く、NYの夏の風物詩、ストリートが、突然ステージに早変わり。女性グループ、ジャズ・ベリー・ジャム・クァルテットが、夏の夕暮れ時を彩る。
1998.10 Milt Jackson @ Jazz Mobile
ジャズ・モービルの本拠地、ハーレムのグラント将軍記念墓地公園に、ミルト・ジャクソンが登場。大衆音楽としてのジャズが、体感できるイヴェント。
1998.11 Charlie Parker Jazz Festival
今なお、多大な影響力を誇る、ビバップのイノベーター、チャーリー・パーカー。その78回目の誕生日を、晩年を過ごしたトンプキン・スクエアで、トリビュート・コンサート。
1998.12 Image of Miles Davis
写真で振り返る、マイルス・デイヴィスの偉大なる足跡。ジャズ・ギャラリーの企画でコレクションされた、デビューから、その死に至るまで、半世紀にわたる貴重な記録。